アスリアの「ことば」に関する雑知識

語源、名言、音楽関連の言葉など、言葉に関する雑学のブログです。

ラジオ深夜便 向田邦子の絶望名言

 
「じいちゃんは、悲しかったのだ。生き残った人間は生きなければならない。生きるためには、食べなくてはならない。そのことがあさましく、悔しかったのだ」


「自分でも納得して、きっぱり別れたつもりでいるしょ。思い切って遠くの土地へ行って、新しい仕事をはじめて、昔の暮らし、すっかり忘れたつもりでいるでしょう。そうはいかないのよ。からだのなかに残っているのよ」


「おふくろが握っていたのは、果物ナイフだった。うちで一番切れない、リンゴの皮もむけない果物ナイフだった。さびしくて、つらくて、とても生きていけないと思って、しかし、本当に死ぬには未練がありすぎて、ほんとうはみんなに止めてもらいたくって、死んだふりをしてしまいたい気持ちをごまかして、きっと、生きていく」


「あれ……なんてったかな? 将棋の駒、ぐしゃぐしゃに積んどいて、こう、引っ張ってとるやつ。一枚、こう、とると、ざざざっと崩れるんだなぁ。おかしな形は、おかしな形なりに均衡があって、それがみんなにとって幸せな形ということも、あるんじゃないかなぁ……」


「人間なんてものは、いろんな気持ちかくして生きてるよ。腹かち割ってはらわた曝け出したら赤面して、表歩けなくなるようなもの抱えて暮らしているよ。自分で自分の気持ちにふたして知らん顔して、なし崩しにごまかして生きてるよ」